役員運転手の雇用契約書内容の紹介!【トラブル予防】
2022年03月09日
「役員運転手の雇用契約書は作ったほうがいいの?」
「一般社員と同じ内容の雇用契約書でいいの?」
役員運転手は一般の社員と比べ、待機時間や残業が長くなる傾向があります。
そのため新しく役員運転手を採用する際に、雇用契約書の内容などについて頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか?
法律的には「労働条件通知書」や「雇用通知書」を作成していれば、「雇用契約書」は必要ありません。
しかし後々トラブルにならないように、作成しておいた方が安心です。
ここでは役員運転手向けの雇用契約書の作成方法をご紹介します。
またトラブルにならないための注意点もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1、雇用契約書とは
企業と労働者が採用の際に結ぶ契約のことを「雇用契約」と言います。
労働者が会社に対して労働を提供するのに対し、企業側は労働の対価として賃金を支払うことを約束するものです。
その契約した内容について記載されているのが「雇用契約書」。
本来は「労働条件通知書」や「雇用通知書」を作成していれば法律上問題はありません。
そのため「雇用契約書」を書面で作成する必要はないのですが、労働条件等のトラブルを防ぐために多くの企業で雇用契約書を作成しています。
契約書の内容としては、労働条件や合意が必要な条件などを忘れず盛り込む。
一般的に2通作成し、署名捺印後会社側と労働者側で1通ずつ保管します。
2、役員運転手と雇用契約書を交わす必要性
契約書に署名・捺印をした後に、よく確認したら少しおかしいところがあると、労働者の方から訴えてきた…という雇用に関するトラブルは後を絶ちません。
トラブルにならないためにも、署名・捺印の前にしっかり内容を説明し、理解してもらうようにしましょう。
とくに採用時に求人募集に提示していた内容と相違がある場合は注意が必要です。
求人募集の内容はそこまで深く書かれておらず、概要のみのことがほとんどです。
実際の契約と違いが出るのは珍しくありません。
しかしその違いをしっかりと説明していなければ、問題になりかねないことも把握しておきましょう。
3、役員運転手の雇用契約書の内容
雇用契約書には、「絶対的記載事項」という、絶対に決めておくべき内容があります。
たとえば以下のような内容です。
《絶対的記載事項》
・雇用期間
・労働条件
・給与の金額
・給与の支払い日
・有給休暇の規定
・退職の取扱い
・就業場所 など
役員運転手の場合はこれらに加えて、さらに必要と思われる義務や条件を盛り込んでいきましょう。
ここからはもう少し詳しくご紹介していきます。
3-1. 賃金
役員運転手は役員の会議や接待などが夜遅い時間や休日にあるため、時間外労働が多くなる傾向があります。
その場合残業代がかなりな金額になる可能性もあります。
その際の賃金について、明確に記載しましょう。
ただし残業に関しては、36協定を結ぶ必要があります。
その内容を超えて労働させないよう注意が必要です。
3-1-1. 36協定
社員に時間外労働をさせる場合、36協定を結ぶ必要があります。
労働基準法で定められている労働時間(法定労働時間)は通常1日8時間・1週間40時間以内です。
これを超えて労働させる場合は、36協定の締結と、労働基準監督署への届け出が必要になります。
36協定を結んだからといって何時間でも時間外労働ができるわけではありません。
労働基準法の改定により、時間外労働の上限が決められました。
2019年4月から(中小企業は2020年4月から)、時間外にひと月45時間・年間360時間を超えて労働させた場合罰則が科せられる可能性があります。
そのため時間外労働の時間数に関しても、雇用契約書に記載しておく方が安心でしょう。
ただし待機時間の長い役員運転手に限り、特例措置が適用できる場合があります。
3-1-2. 断続的労働の適用除外制度
役員運転手の勤務時間のうち半分以上が待機時間だという場合、「断続的労働の適用除外制度」が認められる可能性があります。
これはマンションの管理人のように、待機時間が長く実際に稼働している時間はそれほど多くない場合に認められる制度です。
以下のふたつを満たした場合、労働基準監督署に届け出をして認められた場合のみ、「断続的労働の適用除外制度」を活用できます。
《断続的労働の適用除外制度の条件》
・待機時間の方が実作業より長いこと
・実作業時間の合計が8時間をオーバーしないこと
実際にこの制度を利用した場合、「法定労働時間」という概念はなくなります。
そのため休日出勤手当・残業手当は支給されず、深夜勤務分のみ支給されます。
給与には、あらかじめ残業や休日出勤分を含んだ基本給を設定する必要があり、その場合は必ず雇用契約書に盛り込むようにしましょう。
詳しくはこちらでご紹介しています
→「役員運転手は36協定にあてはまる?注意すべき長時間労働の落とし穴」
3-2. 業務時間・休憩時間
前述のとおり役員運転手は、待機時間が非常に長い職種です。
待機時間の扱いについても明記しておきましょう。
待機時間は休憩時間ではありません。
なぜなら休憩時間には外出して食事をしたり、買い物をするのは自由ですが、待機時間にはそれができないためです。
待機時間は万が一急に担当する役員のスケジュール変更があり、外出しなければならない場合などにすぐに対応できるようにしておく必要があります。
そのため待機時間と休憩時間を明確に分けて考えるといった内容を記載しましょう。
3-3. 業務内容
役員運転手の仕事は運転が主ですが、それ以外にどういったことまで任せるのか記載します。
一般的には車両管理などですが、企業によっては秘書業務と兼任する場合や、他部署の仕事も行う場合もあるでしょう。
ドライバーの中には、運転以外の業務をやりたがらない人もいます。
どこまで仕事をやるべきなのかを記載し、後々トラブルにならないようにしましょう。
3-4. 守秘義務
役員運転手は運転中に、役員が電話などで話している内容を見聞きすることになります。
基本的に車内で見聞きした内容に関して、役員運転手には守秘義務があります。
話の内容が、会社がまだ公表していない新しい商品やサービスの内容だったりした場合、万が一役員運転手がそれを口外してしまうと、多大な損失を被る可能性があるためです。
たとえ自分の家族や社内の人間に対しても、一切口外はしないという旨を雇用契約書に盛り込みましょう。
4、まとめ
役員運転手を採用する場合、「労働条件通知書」や「雇用通知書」があれば必ずしも「雇用契約書」を作成する必要はありません。
しかし後になって、聞いていた話と違うと文句を言われる可能性もあります。
そういったトラブルを防止するためにも、「雇用契約書」はぜひ作成しておきましょう。
記載内容は一般的な内容にあわせて、役員運転手ならではの業務時間や業務内容に関しても明記しましょう。
「セントラルサービス」は、役員運転手の派遣・請負会社です。
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