社用車の安全な使用には「社内ルール」が必須!車両管理規程の内容紹介
2023年01月04日
複数の社用車を保有している会社では、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。
「社員が社用車を私的利用して困っている」
「不特定多数の社員が使う社用車の管理が難しい」
といったお悩みを抱える方も多いのではないでしょうか?
社用車を保有する会社では、「社内ルール」の作成と徹底が必要です。
そこでこの記事では、社用車を保有する会社が作成すべき「車両管理規程」と、さまざまなトラブルに対応するための基本ルールの内容についてご紹介します。
目次
1. 社用車の社内ルールは「車両管理規程」にまとめる
社用車の社内ルールは、「車両管理規程」にまとめ、社員に徹底させましょう。
車両管理規程に掲載する主な内容は、次のとおりです。
【車両管理規程の内容】
・安全運転管理者の設置と業務内容について
・社用車の私的利用について
・マイカーでの通勤や安全管理について
・交通事故発生時の対応方法や損害賠償について
・マイカーや社用車利用時の罰則について
・社用車の保守点検について
・運転時の注意事項や安全運転のためのルールについて など
法改正や追加事項が発生した場合は、速やかに内容を変更し徹底します。
車両管理規程は、インターネットを検索すればさまざまなサイトからダウンロードもできます。
ただし会社独自の取り決めもあるため、心配なようであれば社会保険労務士に相談するとよいでしょう。
1-1. 安全運転管理者の設置
企業側は運転者に対し、道路交通法の遵守をさせる必要があります。(道路交通法第74条)
「車両管理規程」の作成とともに、社用車を5台以上使用している場合や定員11名以上の自動車を1台以上使用している場合は、支店・営業所ごとに「安全運転管理者」を設置し指導させなければなりません。
これは、道路交通法第74条でも触れられています。
第七十四条
車両等の使用者は、その者の業務に関し当該車両等を運転させる場合には、当該車両等の運転者及び安全運転管理者、副安全運転管理者その他当該車両等の運行を直接管理する地位にある者に、この法律又はこの法律に基づく命令に規定する車両等の安全な運転に関する事項を遵守させるように努めなければならない。
2 車両の使用者は、当該車両の運転者に、当該車両を運転するに当たつて車両の速度、駐車及び積載並びに運転者の心身の状態に関しこの法律又はこの法律に基づく命令に規定する事項を遵守させるように努めなければならない。
安全運転管理者は、企業で社用車を活用するうえで、非常に重要な役割を担っていることが、分かるでしょう。
安全運転管理者の業務は、多岐にわたります。
【安全運転管理者の業務】
・運転者の適性や知識の把握
・運行計画作成
・点呼と日常点検
・酒気帯びの有無確認 など
安全運転管理者は、専任後15日以内に管轄の公安委員会に届け出る必要があります。
また届出事項が変更した場合も、速やかに変更手続きを行いましょう。
1-2. 車両管理台帳・運転者台帳の作成
車両管理規程の作成とともに、車両管理台帳・運転者台帳の作成も行いましょう。
これらを作成することで、効率的に社用車と運転者の管理ができます。
【車両管理台帳・運転者台帳の記載事項】
車両管理台帳 | 運転者台帳 | |
記載事項 | ・車両本体の情報(社名・登録年度・定員・型式・購入年月日など)
・車両の状況(車検有効期限・定期点検の記録・使用部署・運転者など) ・車両の保険内容 |
・事業者の名称
・運転者の情報(氏名・生年月日・健康状態・事故の有無 など) |
車両管理台帳を作成するメリットは、整備不良などの事故防止になることや、保険や車検の費用管理でコストの見直しができることなどが挙げられます。
運転者台帳は、運転者一人ひとりの健康状態を管理することで、事故が起きる可能性を事前に防ぐことが可能です。
2. 社用車の使用で決めておくべき基本ルール
ここからは、社用車の使用で決めておくべき基本的なルールをご紹介します。
これらの内容を細かく取り決め、社用車を使用する社員全員に周知徹底させましょう。
2-1. 日常点検のルール
社用車は安全な運行のために、車検や定期点検を行うことはもちろんのこと、乗車前の点検も重要です。
チェックは点検表を作成し、それに沿って行っていきます。
チェック項目は、以下のような内容です。
・ブレーキ液やバッテリー液・冷却水の量
・エンジンオイルの量や汚れ
・ウォッシャー液の量
・タイヤの状態(溝の深さ・空気圧など)
・ランプの点灯の有無
・ブレーキテスト
・燃料確認 など
これらのチェックに慣れていない社員がいるようであれば、点検方法の講習を開くか、個別に教えるなどして対応しましょう。
2-2. 洗車・清掃のルール
社員によって、きれい好きな人とそうでない人がいます。
どの程度の頻度で洗車や清掃を行うのか、また誰が行うのかを明確にしておきましょう。
名前が入っている社用車は、いわば会社の宣伝広告のようなもの。
それが汚れていては、イメージがよくありません。
また、お客様を乗せる場合でも、車内が汚れていては悪い印象を与えてしまうでしょう。
たとえば、定期的に社内会議があれば、その後に必ず車内清掃を行う、車両ごとに洗車担当を決め、2~3週間に1度洗車を行わせるといったようにルールを決めます。
2-3. 私的利用のルール
法的に社用車を私的利用してはいけないという決まりはありません。
しかし、私的利用した際に事故を起こしてしまうと、会社側にも使用者責任が問われる可能性があります。
原則として、社用車は特別なことがない限り、私的利用は禁止する方がよいでしょう。
私的利用禁止を徹底する場合は、必ず毎回責任者へ鍵の返却をさせることや、運転日報の提出などを行うとよいでしょう。
2-4. 事故発生時のルール
社用車の運転中に交通事故を起こしてしまった場合のルールも決めておきましょう。
負傷者がいる場合の対応方法と連絡先をドライバーに徹底します。
また、軽微な事故でも一人で対応せず必ず報告することや勝手に相手方と示談交渉しないこと、事故を起こした場合はその軽重に関わらず事故報告書を提出することなども取り決める必要があります。
さらに、トラブルにならないよう、事故や違反をした場合の罰則金の支払い責任が誰にあるのかも明確にしましょう。
3.社用車に関するルール作りの重要性
このように、社用車を保有している会社は、「車両管理規程」を作成しておく必要があります。
それは、万が一のトラブルにも迅速かつ適切な対応をするためです。
また、法的な責任問題も関係してきます。
社用車に関するルール作りの重要性について、確認しておきましょう。
3-1. 安全に運行するため
社用車は、社員一人に対し1台割り振られている会社だけでなく、不特定多数の社員が使用する場合もあります。
利用の際、一人ひとり使い方が異なれば、トラブルになりかねません。
社用車を私用する際の基本的なルールを決め、社員に徹底させることで、そのような社内トラブルを避けられます。
3-2. 事故発生時にスムーズに対応するため
事故発生時の対応方法をマニュアル化しておくことで、社員は万が一の際も焦ることなく、スムーズに対応できます。
また、車をぶつけて傷やへこみを作ってしまったなど、ちょっとした事故でも隠さず報告するルールを作ることで、誰がやった・やらないのもめごとを防ぎます。
3-3. 法的問題に対処するため
社用車で事故を起こしてしまった場合、私用でも会社に対する責任問題が発生しかねません。
その際「車両管理規程」を作成しておくことで、企業側の賠償責任が軽減されることがあります。
民法でも以下のように定められています。
『(使用者等の責任)
第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。』
たとえ私用で運転していたとしても、場合によっては企業側の責任問題にも発展する可能性があります。
ルールの徹底は会社を守るだけでなく、事故発生の抑止力にもなるでしょう。
参考:運送・物流業界向けオンラインマガジン|トラッカーズマガジン
4. まとめ
社用車を日々安全に使用するためには、ルール作りが必要です。
社用車での事故は、ドライバーの怪我だけでなく会社にとっても大きな損失です。
トラブルを避けるためにも、車両管理規程を作成し周知徹底しましょう。
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